クラウドファンディングが“学びの場”としてのモデルケースに。親子デュオ恐竜デザイナー・タモコタモ

「お金を得ることってそんなに簡単なことじゃないって分かった」byコタモくん

クラウドファンディングを“学びの場”として活用する親子がいる。
2019年8月、恐竜博士を目指す小学校4年生のコタモくんと、デザイナーの仕事をするコタモくんの母タモさんはプロジェクトを打ち出した。なぜ、学びの場としてクラウドファンディングへ手を伸ばしたのか、そして実際どのような学びを得ることができたのだろうか。

プロジェクトデータ
  • プロジェクト名
    どこまでやれる!?恐竜博士を目指す小学4年生の挑戦
  • プロジェクト目的
    支援者の獲得(=子どもの学習支援として活用)
  • 募集期間 
    2019年8月12日~9月16日
  • 調達金額 
    55,000円
  • プロジェクトURL
    https://camp-fire.jp/projects/view/180348

恐竜博士の夢を持つ少年と、夢を応援する母のデュオ恐竜デザイナー「タモコタモ」

小学4年生のコタモくんの夢は「恐竜博士」。そんな彼の夢を応援するデザイナーのタモさん。コタモくんが持つ恐竜の知識と、タモさんのデザイナー技術を掛け合わせ、デュオ恐竜デザイナー「タモコタモ」として、恐竜グッズの制作を手掛けている。

そんな二人は、2019年8月にクラウドファンディングを実施。コタモくんの夢である恐竜博士になるための“勉強の旅”に向けた資金集めを開始した。目指すはカナダのロイヤルティレル博物館と中国の自貢恐竜博物館だ。
目標金額を500,000円と設定。支援総額は惜しくも55,000円であったものの、一つの大きな経験として親子の心に刻み込まれた。

しかしなぜ、クラウドファンディングを利用して、資金集めをしようと考えたのだろうか。

コタモくんの希望で親子クラウドファンディングへチャレンジ

キッカケはコタモくんからの「クラウドファンディングをやってみたい!」という一言だった。

革デザイナーであるタモさんは、自身が手掛けるブランド エトネ でクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げた経験がある。その経験から“クラウドファンディングは夢を追いかける人を応援するシステム”だとコタモくんに伝えたところ、彼の興味へと繋がっていった。

もちろん母であるタモさんは、クラウドファンディングを小学4年生であるコタモくんに挑戦させることに不安を抱えていないわけではなかった。

クラウドファンディングを学びの場として活用したい

しかし、思い切ってクラウドファンディングへ挑戦したのには、タモさんなりの理由があったのだ。

「“子どもは親からお金をもらう”という、日本に蔓延る(はびこる)暗黙のルールに違和感を覚えていました。
私は15歳の頃からアメリカで生活をしていたのですが、学生時代からクラブ活動の資金集めのために学校でお菓子を売るんです。ところが、日本では子どもが社会でお金を稼ぐことや資金を集めることに対して、どこか疎まれる部分があります。
でも、お金って生きていく上で一生付き合っていかなければならないモノ。そして、お金は人との助け合いで成り立つモノ。それを子どものうちから学んでも良いのではないかと考えました」

お金を稼ぐのに年齢は関係ない、だからこそ早くから学ぶことも悪いことではない、そんな想いを胸に、タモさん自身も親子でのクラウドファンディングに挑んだのだ。

親子の夢を実現させるため、こだわった2つのポイント

そして挑んだ親子二人三脚のクラウドファンディング。分かりやすい文章と多くの写真を使ったプロジェクトページ、二人で作り上げたグッズをリターンに置くなど多くのこだわりが見える。
今回は、そんなプロジェクトの中で特に二人がこだわった2つのポイントを紹介しよう。

1)想いが透けて見えるページ作成

コタモくんの夢や想いに興味を持ってもらうために、気持ちを全面に出すようなページ作成を意識している。特に、ページ最後に掲載したコタモくん直筆の手紙。ただキーボードで打ち込むだけでは気持ちが伝わらないのではと考えたタモさんは、あえて手紙を画像にして掲載したという。

また、タモさんの想いもページ内の文章に込めている。コタモくんの挑戦を通じて、「子どもがクラウドファンディングに挑戦してもいいんだ」と気づいてもらえるような紙面づくりをしている。
二人の想いが透けて見えるように、ページの中にタモコタモがいることを感じてもらえるように。そんなこだわりが伺えるプロジェクトページだ。

2)本格志向のグッズをリターンに設定

恐竜のイラストが描かれたグッズをリターンに設定している。このグッズは二人の本格的な知識と技術が組み合わさって完成されているのだ。
恐竜の知識を持ったコタモくん監修のもと、デザイナーのタモさんが描き起こして生まれた恐竜のイラストをベースにグッズを制作した。

恐竜の色、模様は全てコタモくんが監修。「ティラノサウルスの足は一番強いところだから、固い皮膚が分かる模様にして」と細部までこだわり抜いた本格志向のイラストだ。
出来上がったイラストをグッズにする際は、ハンドメイド経験者のタモさん主導で制作。コタモくんも一緒につくれるようにと、Tシャツ、サコッシュ、時計、缶バッジ、シールなどを選択。

二人が力を合わせたクオリティの高いグッズをリターンに設定したのだ。

目標金額は未達成。しかし、お金に変わらない収穫が――。

そうして立ち上がったプロジェクト。目標金額に500,000円を設定した。
しかし、パトロン数16人、資金総額55,000円という結果だった。

お金を得ることは簡単じゃない(by.コタモ)

目標達成には及ばなかったものの、コタモくんから出た「お金を得ることってそんなに簡単なことじゃないって分かった」という一言から、大きな収穫を感じることができた。

「もっと自分の夢が沢山の人に伝えられると思ったけど、そんな簡単にはいかなかった。
クラウドファンディングをする前に展示会へ出たときは、直接恐竜の魅力を伝えられたけど、今回はそれが上手くできなかったなって。でも僕は自分の夢も叶えたいし、沢山の人に恐竜の面白さを伝えていきたいから、これからもクラウドファンディングは続けたいと思ってます」

反省を踏まえながらも、夢への挑戦を続けていくことを力強く語ってくれた。お金を得ることは簡単なことではない、これは小学4年生のコタモくんにとって、お金には変えられない学びになったのではないだろうか。

お金の動きを学ばせることができた(by.タモ)

タモさんも「今回の取り組みは決して無駄ではなかったと胸を張って言える」と語ってくれた。

「お金を得るための仕組みづくりから見せることができた、これは何よりも大きな収穫でした。コタモの夢に賛成して助けてくれる人がいること、そういうシステムがあること、そのシステムを使ってどうお金が動いていくのか…一から説明して一緒に進めることができたんです。

思ったより支援は集まらなかったけど、コタモにとって55,000円は大きなお金です。成功体験の一つとして彼の中に刻み込まれたと思います。お金を稼ぐことのハードル、ビジネスを始めることのハードルが少し下がったはず。
この経験がベースとなって、もし彼が中学・高校と大きくなった時、何か挑戦するのにクラウドファンディングをやった経験がリンクするかもしれない。それが今回一番の収穫になったと思います」

お金を得ることは一つの手段だけではない。しかし、手段は違えど稼ぐことの難しさは平等だ。タモさんの与えたこの機会が、幼いコタモくんとって強い印象を与えたことには違いない。

クラウドファンディングが“学びを得られる”新しい場所となった一つのモデルケースとなった。

子どものチャレンジを応援するために、クラウドファンディングの挑戦を続ける

そして、今後も引き続きコタモくんの恐竜博士への夢を追い続ける。今回のクラウドファンディングでは、コタモくん監修のもと、タモさんがイラストを起こしていたが、これからはコタモくんが自らがイラストを作り上げていくという。最終的にはグッズのプロデュースは全てコタモくんに任せていきたいのだそう。

そして、いずれはコタモくんが一人でクラウドファンディングをできるようになってほしいと話す。

「最初は私が主導となってページ作成やリターンの設定をしてましたが、少しずつコタモへの作業を増やしていきたいです。そして、最終的には自分一人でもできるようになったら良いなと。
そして、息子の成長ももちろんですが、日本の子どもたちや親たちへ少しでも影響を与えていきたいです。小学生でもできた!という姿を見て、チャレンジを助けてくれる人がいること、勇気を与えてることを目指したい。コタモの姿を通じて、子どもたちのチャレンジを応援していきたいと思っています」

<プロフィール>
・プロダクトオーナー:タモコタモ
・所在地:東京都
・Twitterアカウント:@lovehipopotamo
・URL:恐竜デザイン タモコタモ
・活動内容:恐竜博士になりたい小学生の息子「コタモ」と絵を描くことが大好きなコタモの母「タモ」のデュオ恐竜デザイナー。数多くのグッズを制作している。

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書いた人 : 阿部 裕華

取材好きなフリーライター/編集者。WEBメディア中心に編集・企画・進行管理(たまに撮影・デザイン)もやります。アニメ・コンテンツビジネス・映画・音楽(主にBUMP)が大好きです。

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