表参道の人気レストラン「Bistro plein」、プレオープンをクラウドファンディング活用で

株式会社PLEIN代表 中尾太一さん

表参道駅から徒歩10分ほど。青山通りを曲がった半地下にある「Bistro plein(ビストロプラン)」は食べログなどでも人気の繁盛店だ。オーナーの中尾太一さんは現在、27歳。若干25歳の時に開業した。オープンから2年経った現在は、平日でもたびたび満席になるという。

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星野リゾートや「Soup Stock Tokyo」で知られるスマイルズで研鑽を積んだ中尾さん。そんな中尾さんですら、初めての起業でもあった同店のオープン時には資金がショートしそうになった。何とかしてこれまでのお得意様を招き、プレオープンのパーティーを実施したい。しかし、無料でやるには資金が足りない……。

そんな時、中尾さんが利用したのがクラウドファンディングだった。「クラウドファンディングがあったからこそ、プレオープンに漕ぎ着けることができた」。そう語る中尾さんに、創業時の思い出を語ってもらった。

プロジェクトデータ

貯金500万円と借金1000万 25歳で起業

――中尾さんは若干25歳で「Bistro plein」を創業されました。苦労したことなどはありましたか?

中尾:はい。政策金融公庫から融資(1000万円)を得るまでは、スムーズにいったのです。担当の方にも「これまで見た中で一番良くできた事業計画書だ」と言っていただいて。

しかし、次にまずテナント探しで苦戦しました。若すぎるということで、なかなか賃貸契約に乗り気になってくださる大家さんがいなかったのです。やっと見つけた現在の店舗は半地下ではありますが、駅からほどよく離れた閑静なエリアで、落ち着いてお食事を楽しみたい方々にぴったりの立地でした。

しかし、いざ開業が近づくと、私の算段が甘かったこともあり、資金ショートしそうになってしまったのです。本当は、ビストロのプレオープンは完全に無料でやりたかった。様々なお客様を招いて盛大にやりたかったのですが、予算の都合上難しくなってしまいました。完全に無料で実施したら、ものすごく貧相なパーティーになりそうで……そこで、クラウドファンディングで4日間プレオープンするための資金を募ることにしました。

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クラウドファンディングでは達成率が399%に

――実際にクラウドファンディングを利用してみて、いかがでしたか?

中尾:実は、プレオープンはいったん諦めかけていたんです。でも、開業1ヶ月半くらい前にぎりぎりで、クラウドファンディングで資金を集めることを思いつきました。期間的に厳しいだろうと思いましたが、担当の方が親身、かつ迅速に対応して下さったお陰で、実施にこぎつけることができました。

ファンディング期間はたった2週間でしたが、40人の方にご支援いただき、約40万円程の資金を集めてプレオープンを実施する事が出来ました。目標金額は10万円でしたので、約4倍ということでとてもうれしかったです。

――どんなリターンを用意されたのでしょうか。

中尾:3,000円から200,000円までのリターンをご用意しました。3,000円の内容はパティシエ特製の焼き菓子盛り合わせセット。こちらは7人の方にパトロンになっていただきました。

3,500円のリターンの内容は、シェフとパティシェの作るデザート付きランチビュッフェ。こちらも人気で、7人の方にご支援いただきました。10,800円以上からは、お2人分のコース料理(1人分5,400円)をご用意しました。

――お写真だけでもとてもおいしそうですね。資金調達の手段としてはいかがでしたか。

中尾:プレオープンのお食事をリターンとして設定しました。通常よりお得な価格にしていたため、メニュー自体は赤字ではありましたが、それは当初から分かっていたことでした。自身で実施するよりは遥かに良かったと思います。正価より安いとは言え、お客様にお代を頂戴する事は、質の担保をする上で大切だと学びました。

また、何よりありがたいと思ったのは、認知を広められたことと、一般のお客様から贔屓目なしのフィードバックをいただけたことです。皆さんもご経験があると思いますが、友人や知人のお店だと、どうしてもフィードバックが甘くなってしまいことがありますよね。本音を言いづらく、オブラートに包んでしまったり。

私の場合は、本格的にオープンする前に、お客様の本音をお聞かせいただくことができてとてもラッキーでした。いただいたフィードバックは、できるものは翌日からでもすぐ反映するようにしています。理由があって採用しなかったご意見についても、直接お伝えできる手段があれば必ず理由をご説明して、改めてご意見をいただいたことへのお礼を言うようにしていますね。

今後は資金調達手段としても期待

――中尾さんにとっては、クラウドファンディングは認知の獲得やテストマーケティングに非常に有効だったということですね。逆に、クラウドファンディングに関して「もっとこうだったらいいのに」とか「今後もっとこうしたい」ということはありますか。

中尾:今後はより、資金調達手段としても活用していけたらいいなと思っています。というのも、我々のようなスタートアップ、かつ飲食店では、どうしてもリアルで体感しやすいコストのかかるリターンを用意せざるをえません。そうすると、クラウドファンディングを純粋な資金調達手段として利用するにはまだまだハードルが高いのが実情なのです。

著名人のクラウドファンディングのように、手書きのお礼や、限定動画など、支援に対して固定の価値あるものを提供出来ればベストではありますが、飲食の場合はどうしても食材の原価や人件費が発生してしまいます。その分人数をお招きしようにも、店の席数も限られていますし、おもてなしの質が落ちれば本末転倒です。プラットフォームに支払う手数料などもありますし。

今後、例えば「寿司と日本酒」といった「食」とか「インテリアと音楽」といった「空間」同士とか同じジャンルの志を持った人たち、逆に「食」と「アート」など違うジャンルの人がコラボする「合同クラウドファンディング」みたいな仕組みも出てきたらいいなと思っています。もしプラットフォーム運営会社主体でそんな取り組みが出来たら、支援者へのバリューも上がるので資金も調達しやすくなり、実施者の認知度も上がるのではないでしょうか。

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クラウドファンディングのおかげで得られた認知

中尾:当時の僕の力ではプレオープンのお客様を友人、知人以外から集客する力はありませんでした。全く知名度のないスタートアップが、世の中に認知される。それだけで非常に価値のある事だと思っています。知られなければどんな優れたサービスもお客様のもとに届かないのですから。

何より、プレオープンから現在まで、常連として通って下さるお客様に出会えた事が、本当に大きな財産になりました。

――今後実現したいことについても、教えてください。

中尾:飲食業界はまだまだ、お給料が安く、休みも少ないのに労働時間は多いという「負」のイメージが大きいと思います。僕はそこを変えていきたいと思っています。

そのために「Bistro plein」という店舗のほかに、飲食店のコンサルティング業も展開しています。お店だけから利益を増やそうとしても、席数も限られていますし、人件費や食材の原価を削ればおもてなしの質が落ちてしまいます。週休二日制、ランチなしという営業形態を続け、かつおもてなしやお料理の質を落とさないための工夫です。

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今年の9月からは、2周年を記念してお店のメニューも全面リニューアルしました。サラダやお肉料理、デザート、全てにおいてワクワクしていただけるような美しさ、そして美味しさを盛り込んだ渾身の品々です。

実はもうすぐ、麻布十番に二店舗目のオープンを予定しています。僕は昔からとにかく、飲食の仕事が大好き。これからも、生涯をかけて食の仕事をしていきます。

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書いた人 : BAMP編集部

国内最大のクラウドファンディング「CAMPFIRE」が運営する”小さな声を届けるウェブマガジン”「BAMP」編集部です。

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