コラム

2018.12.28

【2018年】BAMP特選記事まとめ

2018年に公開された中から選りすぐりの記事を、コメントとともに紹介します

ウェブマガジン「BAMP」は創刊から約1年半が経ちました。

これまでに制作した記事は約120本。日本国内、そして海外の「小さな声」を通じて、世の中に「問い」を投げかけることに挑戦してきました。

2018年の締めくくりとして、BAMPを運営するクラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」とEコマース・プラットフォーム「BASE」の担当者、さらにBAMP編集長が選んだ今年の特選記事とコメントを紹介します。

CAMPFIRE担当者の3本

■年商1億7千万円まで成長した小さなパン屋の「無理しない美学」とは?


東京から長野に移住し、2009年に『パンと日用品の店 わざわざ』を開業した平田はる香さん。センスの光る商品選び、SNSや自社出版本を通じた発信からファンが増加。その背景には平田さんの「無理をしない」経営論がありました。(ライター:ナカノヒトミ
https://bamp.is/interview/nakano05.html
 

■ニッポン放送・吉田尚記に聞く「問題だらけ」のラジオ考


消えると言われ続けて60年。ニッポン放送・吉田尚記アナウンサーが「問題だらけ」と指摘するラジオの現状、そして言語化できない普遍的な価値について伺います。(ライター:田中嘉人
https://bamp.is/interview/tanaka06.html
 

■仕事も育児も諦めない。シニアが支える「シングルマザー専用下宿」で生きる


東京・上用賀にある「MANAHOUSE」はシングルマザーとその子ども、そしてシニアが住まう現代版の多世代型下宿。どうしても寂しい思いをすることが多くなってしまうシングルズキッズ(1人親を持つ子どもたち)のハッピーのために奔走する山中真奈さんの姿に迫ります。(ライター:佐々木ののか
https://bamp.is/interview/sasaki03.html
 

「BAMP」の2年目、皆さまいかがでしたでしょうか。

プラットフォームもメディアも、どんな仕事でも、たったの一年で何かわかった訳でも、方向性が固まった訳でもありません。メディアとしては、きっとまだまだだと思います。メディアは続いているし、読者も増えてきました。それでも、届けたい人たちにまだ届けきれていない。
「小さな声」とは何なのか、それを自ら問い続けながら日々模索しています。

それでも、BAMPのメンバーは今年も素晴らしい記事を書いてくださいました。
個人的には、2018年は様々な働き方や居場所などが定義されてきた年だと思います。

そんな僕のオススメの記事は、「居場所」や「働き方」にフォーカスした記事を選ばせていただきました。

2019年も僕らは、「小さな声を届ける」というスローガンのもと、社会問題や地域の課題に向き合いながら、発信し続けます。
CAMPFIRE 茅島直

BASE担当者の3本

■「自分で稼げば何でも買える」4歳児に伝えるサバイバルお金論


「ほしいものを買うため、ネットショップ「おえかきおみせ」を始めた4歳の女の子・柳原楓ちゃん。その挑戦の裏には、お母さんの「稼ぐ力=生きる力」という考えがありました。(ライター:佐藤めだか
https://bamp.is/interview/sato03.html
 

「すべてのお母さんが安心できる社会のために」低出生体重児のベビー服とは


体重2500g未満で生まれた「低出生体重児」の肌着専門店「Baby Storia(ベビーストリア)」。カラフルな肌着とともに発信する「すべてのお母さんが安心できる理想の社会」へのメッセージを伺いました。(ライター:いげたあずさ
https://bamp.is/interview/igeta01.html
 

■「力が欲しい。もっと発信するために」現代に生きる畳職人の処世術


畳を使ったバッグや椅子などのプロダクトを手がける職人・青柳健太郎さん。畳の原料であるイグサ農家からお客さん、地元の先輩まで、「人」を起点にした青柳さんの職人としての処世術とは?(ライター:稲田ズイキ
https://bamp.is/interview/inada02.html
 

「BASE」は、2018年10月に「We are Owners」というメッセージを社会に向けて発信いたしました。

わたしたちは、個人事業主や中小規模事業者などの既存の言葉でショップオーナーの働き方や生き方を定義することをやめて、自分の好きなことを選び、経済的な成功のために自分の好きなことを犠牲にせず、好きなことを仕事や生き方で表現する人々を「オーナーズ」と呼ぶことにいたしました。

「BAMP」では創刊以降、多くのオーナーズの声を届けてきました。
十人十色という言葉では表せないほど、多くの生き方がこのメディアにぎゅっと詰まっています。

読者のみなさまが記事を読み終えた時、ネットショップだけでは知ることのできなかったオーナーズの一面に触れて、心の中に新しいチャレンジの火が灯れば嬉しいです。
2019年もオーナーズのチャレンジに寄り添い、また、これから新たに生まれるブランドを全力で応援いたします。
BASE 金田ひかり

BAMP編集長・徳谷柿次郎の3本

■「怒られないローカル」の先へ。道東を発信する88年生まれの覚悟


人もチャンスも都会に比べて少ないローカルで生きる上での「覚悟」とは? 北海道・北見でローカルメディア「1988」を運営しながら、道東の魅力を発信する「道東誘致大作戦」を成功させた中西拓郎さんに話を聞きました。(ライター:友光だんご
https://bamp.is/interview/dango13.html
 

全国あちこちを取材して感じるのは、目立った結果を残している土地ほど「小さな声」を原動力にして、自らも「圧倒的に動いている」ことです。特に20代のローカルプレイヤーたちは独学のクリエイティブゾーンに飛び込んで、なんでもやります精神で地元の仕事を受託しています。ただ、評価基準のジャッジは甘くなりがちで、良いも悪いもなく、ただこなすだけの数年間が続く……。

私が北海道北見市で3年前に出会った中西拓郎くんもその一人。「悶々とした日々のなかで北海道・道東エリアのために新たなチャレンジをしたい」。行政区分ではない「道東エリア」で補助金に頼らず、CAMPFIREのクラウドファンディングで資金を集める姿勢は素晴らしいと思います。

プレイヤーたちを大きく巻き込んだ(いや、巻き込まれた…?)「道東誘致大作戦」は、最初の導火線に過ぎず、北海道全体のプレイヤーを可視化し、大きなうねりとなって新たな価値を作り続けている。どれだけ機会や企画を提供しても、実行できるのは1%ぐらいではないでしょうか。

彼らの動きや考え方は、全国の「小さな声」を「自ら圧倒的に動かす」モデルとして参考になるはずです。この記事が2019年以降のヒントになれば、「道東誘致大作戦」後にハードすぎてうんこを漏らしてしまった参加メンバーの二人も報われると思います。結局、ただ取材するだけじゃなく、自らも飛び込んだ世界がおもしろく転がっていくのは嬉しいですね。

■「力が欲しい。もっと発信するために」現代に生きる畳職人の処世術


https://bamp.is/interview/inada02.html

日本の伝統工芸や旧来的な産業の悲鳴…。その背景や構造の問題点は2018年のBAMPでもたくさん取材してきました。その中で「これからの時代、職人は自ら価値を創り出さないといけない」と、新たな価値を創造し続けている畳職人・青柳さんの姿勢は心に深く刺さりました。

あえて「出来の悪いイグサ」を使ったプロダクトで勝負し、まずは原材料を生産しているイグサ農家さんたちの心をケアする。その立場を維持するために、大手の建材メーカーと手を組まず、インディペンデントな存在であり続ける。一見、効率的ではない人間的な結びつきのなかで「小さな声」に呼応し、既存の仕組みに一石を投じる姿は「何かを変える強い意志」がないとできません。

誰かに助けてもらうのを待つのではない。とにかく動き続けて、泥臭くてもいいから、地元のために利他的な行いを積み上げる青柳さん。これは職人や地場産業だけの話ではない、「地元でどう生きるか」の話なんだと思います。

■親にも彼氏にも言えない。新宿の深夜薬局、カウンター越しの小さな物語


夜の街・新宿歌舞伎町で夜にだけ営業する「ニュクス薬局」。薬剤師の中沢宏昭さんの元には夜の仕事の人々が訪れ、会話を交わす。彼女たちは薬を買い求めながら、「秘密」をそっと置いていく。「深夜薬局」で生まれる、そんな小さな物語たちを追いました。(ライター:望月優大
https://bamp.is/serial/tsukurou01.html

2018年のBAMPで一番シェアされた記事がこちら! 14456BAMP(2018年12月時点)と公開直後から大きな反響を呼びました。

夜の新宿歌舞伎町「ニュクス薬局」は、さまざまな背景を抱えた人たちが薬の処方箋を受け取ると共に「秘密」をそっと置いていく。どれだけ身近な存在であっても、例え家族や恋人であっても言えないことがある。淡々と積み上げた時間と見てきた人生のサンプル数が多いであろう薬剤師・中沢さんの言葉、ずっしりとした重みがあるのでぜひ読んでみてほしいです。



群衆の中に埋もれがちな「小さな声」を物語的に捉える価値は、まだまだウェブメディアで形にしていくべきだな、と。いつでも検索できて、たったひとつのURLをシェアするだけで活動が可視化される。そこに並んだ言葉のひとつが誰かの支えになったり、行動のきっかけになったりすれば、それはもうBAMP編集長として本望です。2019年も深く拡がる記事を作っていくぞ〜!

番外編「経営者の孤独」

今年は「経営者の孤独」と題した連載企画も始まりました。

たったひとりでリスクをとり、責任をとり、決断をし続ける人々、「経営者」。彼らの「孤独」は、なぜか私たちを惹きつけます。それは、私たち一人ひとりもまた、自分の人生の経営者であるから。
8月にスタートした連載では、計6本(コラム1本を含む)が現在までに公開されています。
 

■鷗来堂・柳下恭平「プライベートとパブリックを分けられないことに僕の孤独がある」


https://bamp.is/interview/kodoku01.html

■クラシコム・青木耕平「正気でいながら狂うこと。 信用せずに信頼すること」


https://bamp.is/interview/kodoku01.html

■互助交通・中澤睦雄「だってしょうがない。ほかにハンドルを握る人がいないのだから」


https://bamp.is/interview/kodoku03.html

■わざわざ・平田はる香「寂しさはそこにあるもの。哀しみはいつか癒えるもの。孤独は逃れられないもの」


https://bamp.is/interview/kodoku05.html

■クラシコム・佐藤友子「誰もが心の中にふたつの金庫を持っている」


https://bamp.is/interview/kodoku06.html

■インターミッション「自分ひとりの部屋」

https://bamp.is/column/kodoku04.html

2018年は不思議と雑誌をはじめとするメディアで「孤独」についての特集を見かける年でした。

SNSで繋がりやすい時代だからこそ、一人ひとりの孤独もまた増大している? いえ、孤独とはもっと、人間にとって根源的な感情なのではないでしょうか。連載の記事が公開される度にSNS上で生まれる大きな反響が、その証拠であるように思います。

「経営者の孤独」は、小説家・土門蘭さんによる孤独についてのルポルタージュです。連載の回を重ねるごとに、土門さんにとっての「孤独」像は深まり、そして「わからなさ」もまた増していきます。

本連載は来年も続きます。土門さんがたどり着くのは、どのような場所なのか。読者の皆さまと同じく、編集部としても続きが待ち遠しいばかりです。

区切り線

最後になりましたが、BAMPを続けられているのは応援してださっている読者の皆さまあってこそです。この場を借りて、深く御礼を申し上げます。

2019年も、さらに世の中の変化は加速していくでしょう。そんな中で、BAMPでは引き続き社会の中にある「小さな声」を届け、新しい価値観を提案するメディアであり続けます。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。それでは皆さま、良いお年を!

書いた人 : 友光 だんご

BAMP副編集長。1989年生まれ、岡山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。出版社勤務ののち、2017年3月より編集者/ライターとして独立。Huuuu所属。インタビューと犬とビールが好きです。

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